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それから休み時間の度にクラスメイトから光の現在地が知らされ、光が雲雀のクラスを探そうとしている事がわかった。
いったい何故そこまで自分にこだわるのか…。
雲雀は自分が大衆的にはそれなりに整った容姿をしている事は理解している。
しかし、雲雀自身の感覚からすると光が好むような容姿ではない事も理解している。
見るからに雲雀は“女”なのだ。
自分の事を“可愛い”と思い込んでいる光からすると、雲雀は光より格下のはず…。
時折聞こえる光の声をBGMに、雲雀はそんな事を考えていた。
「どう?美味しい?」
現在の時間は昼。
光には見つからない、人気の無い場所で要と雲雀は昼食をとっていた。
「ああ、美味しい。朝も思ったけど、要って料理上手だな」
「…ありがとう」
照れたのか、要はフイッと顔を逸らした。
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