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(そうやってるとますます女だな…)
要とやり取りをしていると、雲雀はある事を思い出さざるを得なかった。
誰にも言えない、昔の話を。
それでも、もうどうにもならないと理解しているから。
だから雲雀は一瞬思い出すだけにとどまった。
そうして二人が和やかに昼食をとっていると、人の気配がした。
「か…藤堂」
雲雀が声の方を見ると、どこか悲しそうな顔をしている男が一人立っていた。
「知り合いか?」
雲雀が男の方を見ながら言うと、要は男…竜童禊を見ようとせず言った。
「生徒会長の竜童禊」
こいつが…と雲雀が思っていると、竜童は要の態度に傷付いた表情をしていた。
(いやいや、傷付くぐらいなら最初から要を取れよ)
雲雀が心の中でツッコミを入れていると、要がゆっくりと竜童の方を見た。
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