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そんな要を見ていた雲雀は自分の心臓がドクンと波打った事を感じた。
(その顔は反則だろ…)
その、慈愛に満ちた笑顔は、普段の童顔じみたものとは違う、一人の女性のものだった。
「そっちのは確か…」
と、竜童の視線が雲雀に移った。
「転校生の朝倉雲雀さん。同室者」
もう、普段の声色の要が答えた。
「同室者…なら、例の事は?」
「うん、知っとる」
例の事が何かはわからなかったが、自分か要関連の事だろうと雲雀は思った。
「その…よろしくしたくないだろうが、生徒会長の竜童だ」
そう言って、竜童はおずおずと手を差し出して来た。
要から事情は聞いているが、本人がもう普通にしているので雲雀がそれを拒絶する必要も無く。
「朝倉雲雀だ。要から色々聞いたが、竜童と要が普通なんだから俺も普通によろしく頼む」
そう言って、雲雀は竜童と握手を交わした。
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