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「裕斗!じゃ、私先に行ってるね。」
今は昔とは違い、一緒に登校することがほとんどなくなった。
私が、駿に『一緒に学校に行きたい。』と言われてから…。
「…いいから早く行ったら?彼氏、待ってるんでしょ。」
目も合わせず、言われる。
「そ、ぅだね。…行ってきます。」
少しさみしい、と思うのは私だけ?
いや、一般的に考えてもう高校生なんだし、いつも一緒にいるのはおかしいんだろうか。
『美亜、手離してよ。』
『嫌!』
ウザそうにしながらも、いつもなんだかんだ一緒にいてくれたな。
実際、裕斗は私なんかよりもしっかりしているし、落ち着いていると思う。
けど、最近は学校に行く時間が近づくにつれ、機嫌がすごく悪くなる。
一緒に登校するのがなくなった分さみしいのに、更に冷たい態度を取られるのは
正直、悲しい。
「…気を付けて、行ってこいよ。」
――!
背中越しに聴こえた、裕斗の声。
「うん!行ってきます。」
やっぱり一緒に行きたいな、と思った。
、
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