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「美亜おはよう!つか、おせーぞ。」 チャリに寄り掛かりながら待っててくれたのは、中学から付き合っている駿だ。 黒髪短髪、バスケ部所属エース。 明るくて優しくて、人望がある。 私の、彼氏。 「おはよ!待たせちゃってごめんね。」 申し訳なさそうに謝ると 「いいよ、ゆっくりで。まだ時間あるから大丈夫。」 やんわり笑ってくれた。 こういう所が好きなんだよね! 「なぁ、今日部活ないし久々にどっか遊びに行こうぜ。」 「そうだね。うん、行きたい。」 駿と出掛けるの、久しぶりだな。 付き合ってもうすぐ3年経つけど、今まで部活や試合ばかりで、実はまともにデートした事はない。 お互いアルバイトもしてないし…。 「あっ駿くん。美亜先輩、おはようございます。」 前方から声をかけられ、私は顔を上げた。 「愛ちゃん!おはよう。」 可愛い笑顔を向けている彼女は、森谷愛ちゃん。 彼女も同じ高校で、バスケ部のマネージャーを続けている。 「愛、学校は?なんでこっちに…」 愛ちゃんが向かう方向は学校と全く逆だ。 「ちっ違うの!ちょっと裕斗くんに用があって!」 それなら、どうせ学校で会うんだし着いてからでも良いだろう、と思うけど 最近彼女が裕斗を好きなことに気付いた。 中学からずっと一緒にいたもんな。 そんなことを考えていたら、心の中がモヤモヤしてきた。 …ナゼ? 「裕斗なら後ろから来ると思うよ。」 「ありがとうございます。」 にこっと笑い「じゃ、また。」と愛ちゃんは去っていった。 、
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