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歩きながら、今頃二人仲良く手繋いで登校してんだろうなー、とか考える。
こういう事、考えると苛々するから駄目なんだけどね。
まあつまり、俺がわざわざ美亜を先に行かせて、しばらく時間たってから家を出るのは、そういう場面を見たくないっていう理由があるからだ。
「…はあー。」
「溜め息ついちゃって、どうしたの?」
ビクッ
急に声をかけられ、驚いた俺は顔を上げた。
「森谷っ。」
「考え事?前向いて歩かなきゃ危ないよー。」
フフッと笑う森谷。
それより、なんでここにいんの?
俺は気になって聞いてみた。
「ぁ…うーん、特に、用事は…ないんだよね…。気分的に?」
「ふーん。」
変な森谷。
まぁ特に気にせず、隣を歩く森谷から前に視線を戻した。
あぁ、俺はこれからずっとこんな日々を過ごすんだろうか。
美亜を連れていく駿に、劣等感を抱き、それをただ黙って見ているなんて
…さすがに無理だろう。
美亜の隣を歩けること、
美亜の手を繋いでやれるのも
全部俺がしてあげたいことは全部俺が出来ない事で、
俺では無理だと思い知らされ
やはり、黙って見ているしかないんだと
どんなに想っても
俺は結局 ゙弟止まり゛
、
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