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「ゅ…とくん!…裕斗くん!」
「…あっごめん、なに?」
はっとして俺は森谷を見た。
どうやら俺があれこれ考えている内に学校に着いていたようだ。
「今日、部活ないよね。用事ある?って聞いたんだけど…。」
俯く森谷。
「ごめん、俺」
「裕斗くん、きっと疲れてるんだよ!大丈夫。」
もしかして、何回も話しかけていたんだろうか…。
「別に疲れてないよ。でも、少し考え事してたんだ。ごめんね。今日の放課後、だっけ?」
「うん…あっ!でも、本当にもういいの。せっかくのお休みだもん。ゆっくり休んで?」
優しい森谷。
中学からマネージャーとして頑張ってきてくれたし、何かと俺に良くしてくれた。
でも、さすがに悪い気がする。
「いいよ。行こう。」
「…!」
いつも世話になってるし。
「森谷?」
「行く。行きたい。」
俯いていた顔を上げ、森谷がすごく嬉しそうに笑った。
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