きっかけ

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しばらく歩いていると、携帯がなった。 優子からだ。 「は~い、優子?さっきは突然電話してごめんね。もう私は大丈夫なんだけど、どうかした?」 「由奈、私にもメールきたの。」 優子が怯えたようにこたえる。 「え?なんのメール?」 「えぇっ!?優子、やだ、冗談よね?」 寒気がした。 由奈は直感的に嫌な予感がした。 だいたい由奈の嫌な直感はいつも当たるのだ。 「本当なのよ!なんか急に怖くなっちゃって。由奈、今から少し会えない?」 「いいわよ。私も話がしたいわ。今ブックセンターをでたところなの」 「じゃあ、そのあたりにケーキ屋があるわよね。ガトーミエル。そこで待ち合わせしない?」 「了解。なるべく急いできて。私なんだか胸騒ぎするの」 由奈は落ちつかなくなった。 「わかったわ。いまから向かう、20分後くらいね。」 もうすぐ日が暮れる。薄暗くなるにつれて街路樹が風でザワザワしはじめていた。 先ほどの猫が後をつけてきたかのように近くにきて、木陰でないていた。
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