第2章

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長かった一週間が終わり、待ちに待った休日になった。 いつものように時計代わりにテレビを付けながら、温かいカフェオレでも入れて朝食を食べようか、と思っていたが、このところ少しハードな仕事が続いたので、気分転換に、近所のカフェにいくことにした。 由奈は仕事で行き詰まったり、ちょっと疲れたな…と思うと出かけるのがこのカフェだ。 日常でこういうストレスが解消できる場所があるのは由奈には有り難いことだった。 カフェ「エーデルワイス」のオーナー、小田島は、直接ブラジルの農園から寄せている豆を自ら焙煎し、毎月顧客に量り売りもしている。 由奈はエーデルワイスに通うようになってから、オーナーお勧めの珈琲を毎月買い、自宅でもいれるこだわりようだ。 いつもの席に着く。テラス席の一番左奥だ。ここが一番落ち着く。奥だが、テラス席なので道行く人もボーッと眺められるし、集中して何かをやりたいときなどにも由奈には左に視線を感じない方が落ち着くのだった。 「いらっしゃいませ」店員の女の子がお絞りと水をだしてくれた。 「今日もいつものマンデリンで。あと、ハムとキノコのキッシュある?」
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