第2章

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「オーナーが今日は由奈さんがくるかもしれないからって、少し取っておいてましたよ。暖めて持ってきますね。」ニコッと笑顔で店員が言った。 「そうなんですね、嬉しいな。ありがとう。オーナーによろしく言っておいて」 店員の女の子は、女性からみても愛嬌があり、ニコッと笑顔がかわいい女の子だ。確か、大学三年生って言ってたな。名前はなんていうんだろう。 小学生のよく先生が言っていた。「男は度胸、女は愛嬌」だって。 当時は、あまり意味がわからない上に、「女だって度胸はいるわよ!なによっ。」と内心反抗していたが、年齢を重ねるうち、世渡り上手の一つの術としては上等な文句だったのでは、と妙に納得してみたものだ。 笑顔がいいとこちらまでやはり気分がよくなる。 由奈がエーデルワイスに通う一つの理由にこの笑顔が素敵な店員がいるから、というのもあるのかもしれない。
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