第2章

4/6
前へ
/18ページ
次へ
「お待たせしました。」女の子がニコッと笑って、注文した品を丁寧にテーブルの真ん中に置いてくれた。 「ありがとう。」 いつもの笑顔が素敵な店員だ。 何気に今日は店員の名札をチラッとみてみた。 『粥川』 へぇ… カユカワさんって言うんだ、なんだか響きもいいな…、そう思ったぐらいで、特にそれ以上何も意識しなかった。 いつもあなたの笑顔素敵よ、きっとそれでホッとするお客は私だけじゃないはず… なんて思いながら、由奈はキッシュを少しずつ頬張りながら、マンデリンをブラックで飲む。 「あぁ、なんだか毎日こういう贅沢な朝が送りたいものよね」 時間がゆったり流れる朝は贅沢だ。 ちょっとだけ先週残した仕事を片づけようと、ペンと辞書を取り出した。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加