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「はぁ…もういいからさっさと学校行こう…痛っ!」
ゴメンゴメンと、まとわりついて来る祐二をあしらっていると、急に頭を締め付けられるような痛みが走った。
…これは立ってられねぇ
「どうしたの!?大丈夫?シュウ」
突然頭を押さえて膝をついた俺に、裕二が慌て駆け寄ってくる
「だい…じょうぶだ…うっ!」
俺は立ち上がろうとするが、更に頭を襲った頭痛にそれを阻止される
『たすけて』
「あ?」
頭痛と共に頭に響いてきたのは、今にも消えそうな女の声
「は…ぁ…?誰だ…お前…」
「何言ってるの?シュウ。僕だよ?」
「お前の…ことじゃねぇ…この…声だよ」
声が聞こえはじめてから、頭痛が少し治まった気がする。
これなら、立てるか?
「こえ?何も聞こえないよ?」
「そんなは………………いや、何でもない」
俺は反論しようとして…止めた。
祐二の表情は本当に心配そうで、とてもからかっている様には見えなかったから。
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