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「なんでこんな天気のいい昼下がりに僕たちは男二人で飯なんてつついてるんだろうねー」
「天気のいい昼下がりだからこそ俺達はこうして学校の屋上などという晴天にふさわしい場所で食事をしているんだろうが。それと口の中にものを入れたまま喋るな」
喋りだした少年は平井陽(ひらいよう)傍らで少年を諫める同じ年頃の少年は近藤哲(こんどうさとし)彼らはここ県立柳田高校に通う高校二年生だ。
「はいはいりょーかいりょーかい。あーこの後授業かあ。めんどくさー。なにか面白いこと無い?」
陽は哲の言う通りに口の中のものを片付け話しかける。
「面白いことがそこいらに転がっているようなら俺たちはこんな風にのんびり弁当などつついていないだろうな」
眼鏡の位置を直しながら冷たく言う哲。
「そうは言うけどやっぱり人生には刺激が必要だとは思わない?」
そんなつれない哲の態度も気にせず話しかける陽。
「自分が巻き込まれそうなら即退散するのによく言う」
「そりゃあ自分が巻き込まれてちゃ、おちおち楽しめないじゃないか」
「なかなか下衆な回答どうもありがとう」
にこやかに笑いながら言う陽に哲は軽く嘆息する。
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