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光流は声のする方に注目した。
その狭い隙間から一つの目玉が光流を凝視している。
ゆき乃には見えていなかったが、何故か本田は目玉の方を見ていた。
「神主はん・・・」
男の声は、なおも光流を呼び続ける。
「ちょっと、待ってくれ」という意味で光流は手で声の主を制した。
「あ~、俺そろそろ帰るね」
「お、おう。ありがとな」
「ゆき乃ちゃんまたね!」
「はい。…失礼します」
慌てて帰る本田にゆき乃は不思議そうに首を傾げたが、光流もまた不思議そうに本田の後ろ姿を見ていた。
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