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光流は伊藤安次郎に柔らかいトーンで説明する。
「この人は、人?…狐か?とにかく稲荷神使です。我々の味方です。安心して下さい」
「お狐様ですか?あぁ、ありがたや、ありがたや・・・」
伊藤安次郎は今度は美津を拝み出した。
「ふん、都合いいわね…」
美津は伊藤安次郎を気に入らないようだ。
「ね、ゆき乃さん。あの幽霊、誰なの?」
美津は小声でゆき乃に尋ねた。
ゆき乃はゆるゆると首を振る。
「すみません・・・私、見えないんです…」
その声は小さく不安げだ。
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