26人が本棚に入れています
本棚に追加
おぉ~い、アニキ もう散々遊んだから、握らせてやってもいいぜ。
「そんなとこで 待ってても 捕まえてやれん。」
えー、なんでだよぅ。いつもみたいに つかんでくんないの?
「松葉杖ついてたら 無理に決まってんだろ?どうしても つかんで欲しいなら、近くに来いよ。」
あっ、アイスだ。
アニキがアイス食べる時、おいらいつも、アニキのために歌うんだぜ。
「人の肩でアイスの歌、歌うくせにな。つかんで欲しかったら、手にとまれっての。」
おいら、
《つかまえてごらんなさい・ごっこ》
が 好きなんだ。
アニキが 捕まえに来てくんなきゃ 嫌だ。
「そうかい、そうかい。んじゃ ほっとくぜ。腹減ったら 自分で帰れよ。」
えぇー!
いいよーだ。ひとりでまだまだ遊ぶんだい。
おいらが必死でアピールしても、アニキは知らん顔している。
つまんない。腹減った。
おいらは、しぶしぶ自分ちに帰ってきた。
「ようやく帰ってきたか。随分、粘ってたじゃねぇか。何、情けねぇ顔してんだ。」
だって、だってさ、待ってたのに、捕まえてくんねぇんだもん。
最初のコメントを投稿しよう!