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頼みごと自体は簡単なものだった。
[真斗がまた会いたいって言ってるから、今から一緒に来てくれねぇか?]
というものだった。
私は昨日の事を謝ってくれるのかと思ったので、主に「いいよ」と返事をして着替えた。
連れて行かれた所は、昨日と違いとあるクラブだった。
「ここは、うちのチームの溜まり場なんだ」
車を降りて、主と中に入ると大音量で流れる音楽と薄暗い照明が私を迎えた。
「こっちだ」
主に手を引かれて店の奥に入って行くと、<VIP ROOM>と書かれた部屋に通された。
中は店内より少し明るく、ガラステーブルが二つと高そうな黒い革張りのソファーが置いてあった。
そこには、昨日紹介されたトラとハヤト。そして、今日私を呼び出した真斗が座っていた。
私は真斗の前に立ち、睨みながら低い声で聞いた。
「何の用?」
敬語で話した方がいいのかもという考えも過ったが、こんな失礼なヤツに敬語は無用!!という考えに至った。
真斗は微笑みながら言った。
「呼び出して悪いな。昨日のお前見て言いたい事が出来たんだ」
「だから何?」
「お前…」
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