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そんな私に向かって「さっさと降りろ」という目をする真斗に、私は首を横に振った。
微かに舌打ちが聞こえた後、低い声で言った。
「なんで降りねーんだよ!!」
「降りられるわけないじゃん!!私ここに居るから行きなよ!!」
「あ゛ぁ!?」
「ほら!!皆困ってるよ!!早く行きなって!!」
ドアを閉めた真斗にやっと諦めてくれたと思った次の瞬間…
反対側のドアが開き、気付いたら私は車から降ろされていた。
肩を抱かれ身動き取れない私は、何とか逃げ出せないかと抵抗してみたが、小学生が大人の力に勝てるハズもなく……結局諦めるしかなかった。
真斗が私の肩を抱いているのを見て、ギャラリーのお姉さま方から様々な声が飛んできた…
『あれ誰よ!!』
『真斗に近づくんじゃねーよ!!』
『いやー!真斗止めてー!』
居たたまれなくなった私は、真斗に言った。
「真斗…逃げないから離して…」
「ぁ!?何でだよ」
「お姉さま方が傷付いてるよ…」
「関係ねー。勝手に言わせてろ」
「でも………」
言い終わる前に真斗に唇を塞がれた。
ギャラリーからはまたもや罵倒する声が飛んできたが、主が見かねてそちらに鋭い睨みを向けると、お姉さま方は大人しくなった。
その後は、何事も無かったように集会が進められマンションに着いた時には時計は1時を指していた。
真斗に連れられて部屋に入ったはいいが、どうしたらいいのかわからず玄関で停まっていると、奥から声がした。
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