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「女かよ!くらいな俺の腕(オーガアーム)をよ!」
「鬼の腕…」
雅は片手を突き出す、氷の壁現れ、鬼の腕とぶつかる。パキーンと氷の壁が割れるが、男の一撃を防ぎきる。雅の左手の指の間から氷の針が現れる。雅は男の足に投げつける。四本が突き刺さる。
「痛っ!」
「諦めなさい!」
「畜生が!!」
大振りの横なぎを雅は体を後ろに動かして避ける。今度は両手から氷の針を投げつける。男は鬼の腕で氷の針を握り潰す。
「なら…雪風!」
雅は両手を開いて男に向ける。雅の周りに風が吹き男を襲う。よく見ると雪が舞っている。
「寒!」
どんどん体力が奪われていく。男が鬼の腕を振ろうとしてもう片方の足に氷の針が突き刺さる。
「観念してください」
男は踵を返して逃げる。雅はそれを追い掛ける。雅は特殊訓練を受けていて常人よりもかなり速いしかも鬼の腕で身体能力が上がっているにしても足に氷の針『尖氷』が七本も刺さり、鬼の腕で重心が右に傾いていてろくに走れない…雅はすぐに追い付けると確信した。が、男は右腕を鬼の腕から普通の腕に戻した。
「!」
男は加速して逃げる、追い掛ける雅。月明かりの下、二つの影が走る。
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