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いきなり男の前に人影が現れた。背広が長くコートにも見えるダークスーツに身を包んでいて、顔は暗くて見えない。そして、目の所からルビーのような赤い光が出ていた。
「邪魔だ!」
男は鬼の腕をだし、ダークスーツを着た男に拳を振りかぶる。雅はダークスーツをきた男に驚きながら叫ぶ。
「危ない!」
常人ではまるで避けれない速さで拳が迫る。雅はダークスーツの男が死ぬと思ったが…。
「ガハッ!」
鬼の腕を持つ男の首から血が流れ、心臓にナイフが突き刺さっていた。勿論やったのはダークスーツの男だ。両手にナイフを持っている。
「なっ!」
「……」
雅は男の動きの速さから自分と同じ異能者で有ることに気付く。
「私は異能者管理組織、御剣の者です、あなたも異能者ですね…危険な異能者とは言えあなたは殺害を犯した。御剣の規則によりあなたを拘束します!」
尖氷を両手に作り出す雅。ダークスーツの男は微かに動揺を見せた。目の赤い光が消える。ダークスーツの男はナイフを構え、疾駆してきた。やっと男の顔が見える…バイザーで顔を隠していた。雅は尖氷を投げつけるがナイフに全て防がれた。ダークスーツの男は蹴りを繰り出す、雅は頭を逸らし避け、両手を構えた。風が吹き、雪が舞う。ダークスーツの男は少し驚く素振りを見せる…それはそうだ瞬間氷形成(ハイフリーズ)の能力者は雪を降らす事は出来ても風は起こせない。雪村雅は瞬間氷形成の能力者ではない。男のナイフが雅の片手を掠る、血が出る。その傷が少しずつだが消えてゆく。
「!!」
「貰った!氷拘束陣!」
男が足を止めた瞬間、男の両足が氷で固められた。
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