紅輝の瞳(ピジョンブラッド)

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「終わりです」 男はいきなりナイフを自分の手に刺した、血が垂れる…。 「何を…」 パキーン 氷が割れた。男の目が赤く光る。 「えっ!?」 男は後ろに爆転して雅から離れる。雅の尖氷が肩に刺さるが、その傷が雅のかすり傷より早く治ってゆく。 (嘘っ私(雪女)より治癒が早いなんて…) 男は何かを地面に投げる。ドン! 黒いスモークが周りを包む。男は煙の中に消えた。 「く…逃げられた…」 雅は月の下に一人ぼっちだった。 「…なんとか撒けたな」 俺はダークスーツの肩の穴から傷をみる。完全に傷は消えていた。だが体がよろける不味いな…やはり昨日の今日だからな。ナイフをベルトの後ろのホルダーにしまう。俺の家についた。俺はネクタイを緩めながらドアを開ける。 「お帰りなさいませ終夜様」 髪は藍色のツインアップテール、右目に眼帯をしてメイド服をきた俺と同じくらいの年齢の少女…美姫が俺の世話係として送ってくるメイドの綾部香里奈(アヤベカリナ)が部屋を柄の長い箒で掃除していた。 「香里奈…ただいま」 「終夜様、その肩の傷は?今日のターゲットの攻撃のせいですか?」 「違う…御剣だ」 「遂に遭遇したのですね」 「あぁしかも知り合いだった…」「えっ?」 「雪村雅…だったしかも俺と同類…」 「終夜様と?」 「あいつは多分、雪女だ」 俺は目眩を覚え、少しよろける。 「終夜様っ!」 「昨日のあれに今日は超感覚(サーチ)、効果無力化(アウト)を使ったからな、足りなくなってきた香里奈…頼む」 「終夜様…どうぞ」 香里奈は終夜の前に腕を差し出す。俺は香里奈の腕に噛みついた。
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