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......!?
僕は慌てて後ろを向く。だが誰もいない………あるのは今日取ってきたぬいぐるみだけだ。
「…幻聴か?……ないと思うけど、もしかしてお前か?」
そう言いながらぬいぐるみの耳をひっぱる。
≪その手をどけぬか!無礼者っ
余を誰だと思うておる!≫
ん……?え!?
≪な、なんじゃ貴様…!!じろじろ見るでない!≫
そう言って若干照れたように怒っているぬいぐるみ。
「………ア、アハハ…」
…嘘だろ!?
え、いや何コレ。夢?
≪な、何じゃ!?≫
えーいやいや何コレ?ドッキリ?違うよな。ありえねーよな。どう考えても。
本当に?こいつ喋ってる?喋るぬいぐるみってか?あるよなそういうやつ、多分。
ってか、この喋り方は何なんだよ。殿様的な?えー
ぬいぐるみに顔を近づけ、じっと見る。
≪ち、近いぞ!?馬鹿者っ≫
...............。
僕はぬいぐるみをだまって床に置き、それから背を向け体育座りをする。
≪ど、どうしたのじゃ!?大丈夫か…!?≫
「もう、分かんねぇよ……」
そして思わずしばらくの間、現実逃避をした。
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