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一歩踏み出そうとした足は、動かない。
本当は、怖い…。
本当は、死にたくなんかない。
私はその場でへたりこんだ。
「ごめんなさい。ごめんなさい千紗…」
泣きじゃくって、泣きじゃくって…
千紗に何度も謝った。
私が泣いても誰も幸せにはなれない。
誰も、帰っては来ない。
でも、一つだけ確かなのは、
“死にたくない”と思えたこと。
もっと生きたいって思った。
出来ることなら、蓮と生きていきたいって思った。
千紗、本当に私が憎いのならば、今ここで私を殺して。
強風を吹かせて私をここから落として。
でも、千紗が私に生きろと言うのなら…
私をまだ殺さないで…。
千紗が本当に私を許せなくなった時、
その時、私を迎えに来て。
私はまだ、そっちに逝けない。
出来ることならまだ、生きたいの。
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