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そして、神谷が私を押し倒す。
そのまま私の両手を押さえつけ、私にまたがった。
「美嘉…」
私のリボンを慣れた手つきで、するりとほどく。
思わず、背中がひやりとした。それはきっと、床が冷たいせいじゃない。
「やめてっ……!!」
私は足をバタバタさせて暴れたが、神谷はものともしない。
むしろ、満足そうな顔をして不気味に笑った。
「そそるな」
そう言って、私の首筋を唇でなぞった。
ぞくりと背筋に悪寒が走る。
私は神谷の肩を押しやった。
だが、余計に距離を縮め、顔を近づけてきた。
そして、キス。
離したかと思うと、息もさせず、角度を変えて更にキスを深める。
知らないうちに、涙が溢れていた。
恐怖からか。
後ろめたいからか。
それとも―――
蓮に見られてしまったからか。
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