希望

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「美嘉は帰って。後は俺に任せて」 いつもより優しい蓮の口調が、少し恐ろしかった。 私は蓮に促されるまま、校門を出された。 出される直前に私は、 「何かあったら、私のせいにして。蓮は悪くない」 そう言って、蓮の前を去った。 校門前のバス停に着くと、ちょうどバスが発車してしまった時だった。 そのバスの背中を見送りながら、私はバス停前のベンチに座る。 最終便だったというのに。 もう次は訪れないというのに。 私はただ、待っても来ないバスを待ち続けていた。 ふと、空を見上げる。 「…空が紅い…」 さっきまではあんなに輝いていた、 見たこともないくらい綺麗な、 茜色の夕日だったのに。 今は、私を咎めるような紅い夕日。 「わたしはわるくない……」 私は、バス停のベンチに、いつまでも座り続けた。 そんな私を、 冬の暗い夕方の中で、 ぽつんと立つ、 たった一つの街灯だけが照らしてくれていた。 私がその明るい街灯に気付かなくても、それでもそこに立っているのだろう。 私の周りが明るい理由は、その街灯だけが教えてくれた。image=438529065.jpg
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