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するといきなり、後ろから、
ばしゃばしゃと水の中を動く音が聞こえてきた。
「美嘉ッ!!早まんじゃねぇ!!」
聞き慣れた叫び声。
私が振り返ると、そこには蓮が血相を変えて私に駆け寄ってきていた。
「何やってんだ!!馬鹿かお前は!?」
そう叫んで、蓮は私の右腕を掴んだ。
もう離さないと言うように、強く、強く、握った。
「馬鹿って何よ!!てゆーか、何で止めたのよ!!」
私は狂ったように叫び散らした。
「馬鹿だろ!何でいきなり自殺しようとしだすんだ!」
「そんなの私の勝手!!」
「いいから、ここからあがるぞ」
「嫌」
「嫌ってお前なぁ…。…?美嘉、泣いたのか?」
私は蓮の言葉にばっと両手で顔を覆った。
「見ないでッ!!馬鹿ッ!!」
「…なんだよ、馬鹿馬鹿って…」
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