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「どうしますか。岡田千紗の知人に話を伺ってみますか」
杉山は、帳面のようなメモ帳をパラパラと数枚捲った。
「あぁ。そうしよう」
佐之宮は、言いながら目の色を変えた。
「では、誰から行きますか」
杉山が尋ねると、佐之宮はしばらく考えこんだ後、杉山を見た。
「…いや、知人の中でも昨日の放課後、学校に残っていた者はいるか?」
「あぁ、それなら、同じクラスの相沢 美嘉です。なんでも、モデルのプロのスカウトマンがわざわざ訪ねて来る程の美人らしく、行方不明になった岡田千紗の一番の友達だったそうです。行ってみますか?」
「あぁ」
佐之宮の目が、きらりと妖しげに光った。
私達は、海からあがって、浜辺に座りこんだ。
「寒いんだけど」
私は、冷たい海風と雪に当てられながら言った。
蓮が鼻で笑う。
「自分で海ん中、入ってったんだろ。馬鹿じゃねぇの」
「五月蝿い。黙れ」
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