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二人は、シャワーを浴び終わり、リビングのソファーに腰かけて、
テレビのバラエティー番組を観ていた。
テレビの中では、芸人がつっこまれて、爆笑が起こっている。
「お前、こーいうの好きなのか」
無表情でテレビを見つめる私を横目で見て、蓮が言った。
「好きじゃない」
私は即答した。
「じゃあ何で観てんだよ」
「誰かと観るのは初めてだから」
“いつもは、独りで観てる。”
その美嘉の言葉は、蓮にはそう聞こえた。
「それより、その服合ってる?お父さんのだけど」
私は蓮が着ているルームウェアを、サイズを確かめるように見た。
「少し大きいな」
蓮は自分の着ているルームウェアの袖を捲った。
確かに、少しダボッとしている気がする。
「今、制服乾かしてるから。乾いたら、帰って」
私は、何気なく言ったつもりだった。
いきなり、私の体が傾いて、ソファーに横たわった。
蓮が私を押し倒したのだ。
「何するのよ」
私は、蓮を睨み付けて、体を起こそうとした。
だが、
「もう、限界だ…」
そう言って、蓮は私をソファーに押さえつけた。
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