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蓮は授業中、何度も隣を盗み見た。
そして何度も舌打ちをする。
苛々して、シャープペンシルの芯をカチカチと出しては戻し、出しては戻し…を繰り返した。
―…美嘉は何処へ行った?
空いたままの隣の席に不安を募らせながらで、
授業に身が入らなかった。
メールで位置を聞けたり出来れば良いのだが、
喧嘩(?)したせいで、素直に聞くことが出来ない。
実際に先ほど、刑事二人を美嘉と案内していた時も、美嘉は一度も目を合わせてくれなかった。
机に突っ伏して、ため息をつく。
―…美嘉は俺をどう思っているのだろう。
時々、疑問に思う。
美嘉は俺に気を持たせるのかと思えば、
次は冷たく振り払う。
まるで、気まぐれな猫のようだ。
でも、そんな美嘉が…、
愛しくて愛しくて堪らないんだ。
蓮は頬を緩ませた。
―…決めたよ。
美嘉と仲直りしよう。
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