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私は壁に、背中を思い切り打ち付けられた。
私は、“犯人”をきっ、と睨む。
クラスの女子の数名である。
「アンタ、ムカつくんだよねぇ。いちいち男子に色目使ってさぁ。
そんなにモテたいのぉ?寂しい女ね」
「ちょっと綺麗だからって、男子にチヤホヤされてさぁ。
まじキモくない?」
その女子らは、クスクスと嘲笑う。
「ねぇ、皆知ってる?相沢美嘉の家庭事情。
相沢美嘉のお父さんは、警視でね~…」
その女子らの中で、一人・百合が面白がって言う。
次の瞬間、百合は思い切り地面に体を打ち付けた。
「な、何すんのよッ!!」
百合は半身起こし、私のことを憎しみを込めて睨む。
そして、両手で赤く腫れた頬を擦った。
そう。私は百合に平手打ち…―――
ではなく、拳で頬を殴った。
私は百合を嘲笑う。
「あら、ごめんなさいね。
心まで不細工な女がいたものだから」
百合は頭上から見下す私を、鬼のような形相で睨む。
「相沢美嘉。こんなことして、ただで済むと思うなよ。
学校や警察に訴えてやる」
「悪いけど、ただで済んじゃうの、私の場合ね。
貴女が馬鹿にした、警視という父親がいるの」
私はふん、と鼻で笑ってやった。
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