告白

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  意地でも泣かさない、なんて誓ったけれど、結局俺は秋月を泣かせてしまった。 あの日に再び記憶は遡る。 「やっと見つけた」 掠れた声に呼ばれて振り返ると、変わらない笑顔が飛び込んできて、眩しいものを見たみたいに、くらりとした。 「……他校生の立ち入りは禁止ですけど」 思ってもない意地悪な言葉を放てば、秋月はものともせず笑ってみせた。 「奥田先生はよく来たなって、歓迎してくれたよ」 「あのセンセ、妙にお前のこと気に入ってたしな」 「日頃の行いが良かったからね」 「よく言う」 ふっと笑って、視線を元の風景に戻すと、秋月は静かに隣に並んだ。 「驚かないんだ」 「それなりに驚いてますよ?」 分かっていたとはいえ、久しぶりの再会に胸の奥から込み上げてきた熱いものを上手く扱えず、素っ気ない態度を取ってしまった。 「今日、今の学校が創立記念日でお休みなんだ」 「へぇ」 続かない会話。 それでも、言い表せない何かが、この場を満たしてくれている。 そんな気がした。
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