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  「えっ、ここから車で10分?」 駅から少し離れた所にコンビニを見つけ、目的の場所がどこにあるか尋ねるべく、足を踏み入れた。 さすがに何も買わないのは心苦しくて、缶コーヒーを手にレジで道を尋ねれば、思いもよらない答えが返ってきて、思わず声を上げた。 「ちなみにバスは……」 「通ってますけど1時間に1本で……あぁ、10分くらい前に行ったばかりですね」 そんな馬鹿な。 口を衝いて出そうになる落胆を必死に堪えてその場に項垂れる。 「そうですか、ありがとうございました」 軽くお辞儀して礼を言うと、何故か店員の方が「すみません」と申し訳なさそうに薄笑いを浮かべながら肩を竦めた。 コンビニを後にし、バス停の前に置き去りにされたような色褪せてボロボロのベンチに腰を下ろす。 缶コーヒーのプルトップを引き開けて生まれた軽快な音は青い空に溶け、のんびりと流れる白い雲が、俺の鬱ぎ沈みかけた心を撫でていく。 逸る気持ちを抑えるようにコーヒーを流し込み、大きく深呼吸をして、目を伏せた。  
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