小さな世界の大きな事件

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 今日のランチはパンチオーネというマスカレードの母の味。  鉄を丸くしたコロンという料理道具に 団子状にした肉を入れてトマトをつぶしたものをいれる料理だ。  パンチオーネだけでは足りないのでクスという(地球でいうパン)を添えて皿にもる。 「先生できましたよ! テーブルについてください! 」  皿をテーブルに置き、次はコーヒーをいれて持ってきて置いた。 「あひはほふ~」 「口に物をいれてしゃべらないでください! 」 「もぐもぐ、ごっくん。ありがとう、いつも」 「いえいえ、どういたしまして」  私も席につき、たべはじめる。  探偵事務所の掟で、“寝る前と食事中に仕事の話はしてはならない“というものがあるので私と先生は無言で食べすすめる。  食事を食べ終わり、食器を片付けてコーヒー片手に一息つく。  しばらく穏やかな午後の空気が部屋に充満していたが、 「さて、と。そろそろ仕事にかかりますか」  先生の一言で、空気がかわる。慌ててカップをテーブルに置く。ついにきたかおそれていた事態がと私は思っていた。  なぜならば私はまったく先生の役に立つ情報がないのだから。
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