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…………どうしよう。こんな役に立たない助手はいらないと思うかな。こんなことならば大見得をきってあのフリーライターからなんらかの情報を得れば良かった。
でも、もう後の祭りよね。だって私はまったく情報を持っていないんだから。
どうしよう、どうしよう !
私は、切羽詰まった状態で先生が自分の状態がおかしいことに気がついて声をかけていただいていることさえも気がつかなかった。
「………ミナ、ミナ? おい、ミナ! 」
「は、はい」
「どうしたんだ? 一体。ぼーっとして」
心配してくれる先生に、私はますます申し訳なくなる。
このままじゃいけないと、私は覚悟を決めた。こうなれば仕方ない。首になるならばなればいい、ここで考えていてもらちがあかないんだから!
「先生! ごめんなさい。何も情報得られませんでした! 」
目をつぶったまま、頭をさけた。しばらくそのままでいると、ぷっと吹いた音と笑い声が。
そっと先生を見てみると、彼は笑い転げていたので私はあんぐりと口を開けて呆然としてしまう。
「な………なんだ。そんなこと。気にしなくていいんだよ。ミナは真面目だな~」
笑いながらも先生は私に言う。
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