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「とりあえず、ぼくが得てきた情報を話すね。第一の事件が起きたのが二月三日、時間は九時から十時の間。そして、第二の事件は二月八日に同じ時間に起きている。………ここまでは新聞で見て、ミナも知っているよね? 」
ズボンから手帳を取り出し、メモした内容を読む先生。
私も椅子に座り、神妙な顔で頷く。
「死体は、顔に絵の具で死因も絵の具だ。絵の具の混ぜられた水を飲みこんでいる。これは十年前の事件と同じだ。だが、第一の事件で十年前とは違うことが起こった」
「違うこと? 」
「死体は、重りに縄をつけられて川の真ん中に捨てられていた」
「えっ! それは北と南が喧嘩しませんでしたか? 」
「それは察してくれ………新聞や雑誌は喧嘩を面白おかしく書いていたよ………」
読んだのか、遠い目をして先生は言った。私はこれ以上、この話題を続けないために
「ほかにはおかしな点はないんですか? 」
「ああ、うん。なかった」
「無機物達はなんて言ってるんですか? 」
「ビルは夜、寝ていたって、ガス灯は仮面していたし後ろ姿だからわからなかったけど、男の人だろうって話」
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