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「私も読みたいんですから汚さないでくださいよ」
「わかった、わかった。うーん、警察はまだ連続殺人事件の犯人にはたどり着けていないようだね」
「ああ、あの十年前におきたという連続殺人事件と酷似してるといわれてるあれですか………先生、ここはひとつ先生が乗り出して見るのはいかがでしょうか? 先生の能力ならばあっというまにこんな事件解決することも可能です」
真面目な顔でいう私に先生は苦笑して
「………あまり、あの能力は使いたくないんだ。この事件は新聞各社の一面を飾っている。事件を解決したら有名になる。そのときこの能力を知られてしまったら………君は受け入れてくれたけれど、他の人たちがどう思うか。ぼくはそれが怖い。ぼくはかまはない。ミナ、君がいてくれるから。しかし君にまでぼくと同じ目には合わせたくないんだ」
寂しそうに申し訳なさそうに言う先生に私は
「………大丈夫ですよ。私にも先生がいますから寂しくありません。私は先生の味方です。先生のそばから離れませんから」
新聞を持つ手を両手でそっととり、真っ直ぐに先生の瞳を見て言った。
そんなことをしていると、コンコンッとドアを叩く音が。
慌てて手を離し、返事を返す。
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