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でも私が繁華街へ足を進めている理由はそういうくだらない理由じゃない
別にお金に困っているわけじゃないし、男に困っているわけでもない
まぁ、簡単に言えば・・・
「はぁ・・・ここか・・・『鬼邪』の倉庫は」
族潰しをしている
族潰しっていっても潰す族は決まっている
薬や、レイプ、喧嘩の際に鉄パイプや銃を使っている卑怯な族を潰しているのだ要するに治安維持をしている
「・・・扉・・・どうやって開けようかな」
扉の前で私はじっと黙っていた
別に律儀に開けてもいいのだろうが、私の柄には合わない気がする
ここは無難に・・・蹴散らすか
無難かどうかはともかく蹴散らすほうが私には合っているからね
さってと・・・いきますか
ガシャンッ
「誰だ?!」
「我は氷姫、鬼邪を潰しにきた」
「ッ・・・氷、姫だと?!」
敵地に乗り込む時は必ず律儀に自己紹介をするのが私の掟、せめてもの礼儀
私の通り名を聞いた途端、彼らの表情は青ざめていく後ろのほうにいた1人は階段を登りフラフラな足取りで二階へ行く
おそらく総長を呼びに行ったのだろう
『氷姫』
それは柚希の通り名、つまり族潰しをするときの名前氷姫は繁華街や裏の世界でも有名である
無表情でどんどん敵を1人で倒していく、氷のような感情をもっている女、という意味でついた
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