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喧嘩が始まって10分、私の目の前にはもう総長さんだけになっていた
他の人達はもうやられて倒れている
思った通りあっけなかったなぁ、と思いながら総長さんを冷たい視線で見た
仲間が全員やられたのにもかかわらずさっきと同じように雰囲気でいる総長さん
良い族と悪い族の違いはここだと思う
良い族は下っぱがやられてもみんなが怒り、敵をうつため、仲間を守るためにケンカをする
だから仲間がやられても平然としていられるこの総長は悪い族
やっぱり頭がよくないと手足もクダクダだよ
「さ、あとはあんただけ」「クッ・・・」
頭がしっかりしていないと、手や足、ほかの所だってうまく動かせないに決まっている
・・・・・
だから私達のファミリーは強い
それは頭がしっかりしているからだと思う
何度死にかけそうになっても
何度くじけても、辛くても
頭についていこうと思うんだ
頭の中の脳が手足に指示をだし、手足は動く
脳が動かなければ人間は死ぬ
ボスが私達に指示をだし、私達は動く
だから人間生きていける
たとえ生きる場所がどんなに汚い世界だとしても歩いていくことが出来る
「どうした?こないのか?」
「クッ・・・オラァッ!!」
ドガッ
総長は殴りかかってきたが・・・勝敗はもうわかっている
もちろん柚希の勝ち、というか圧勝だ
柚希は殴りかかってくる一瞬の隙に背中にまわりこみ一発くらわせたのだ
けっこう深いところに入ったのか総長はそのまま床に倒れた
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