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『ああッ。ごめん。考え事してた』
『考え事?』
『ああッ。俺たち何も告げられることなく慌ただしく大坂城から、ここ山崎は天王山にある宝寺に連れて来られた。信澄さんは何を考えてここまで来たのかを考えててさ』
『何ッ。ここって何か重要な場所なのか?』
『ああッ。皆も知っている筈だよ。本能寺の変後、主君織田信長の仇討ちのため、中国大返しを成し遂げた羽柴秀吉が仇敵明智光秀を破った場所だからさ』
『あッ。そういえば歴史の授業で習ったような…』
と言って剛は苦笑いを浮かべて頭をかく。
そんな様子の剛を見て和馬は言う。
『歴史に興味がなければそんなもんだよ』
『ハハッ。で何か思いついたのか?』
剛は頭をかきながら問う。
『ああッ。多分だけど。信澄さんは光秀を討つ決断をしたんだと思う』
『えッ。俺らが知っている歴史上じゃ光秀は秀吉が破るんだけど…。そんなことできるのか?』
和馬の言葉に剛は驚きそう更に問う。
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