雷鳴

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『おバカ三剣士』 そう声を掛けられ俺たちは振り返った。 そこには守と剛のお目当ての村山佳江と俺の従姉妹の高木美希がいた。 『おう美希に村山さん』 そう俺が返答すると横で守と剛がこそこそ話をしてる。 その様子を気にしながら俺は続ける。 『そのおバカ三剣士ってのは、やめてくれないか美希。俺はこいつらとは違うぞッ』 『何が違うの?』 と美希は笑みを浮かべながら返すと、佳江とともに俺らの横をスーッと通り抜け、さっさっと先に行ってしまった。 その後ろ姿を眺めていると、美希と佳江を追う守と剛の姿があった。 俺は、その姿に苦笑いを浮かべるしかなかった。 『おっと俺もガキどもの練習に付き合わねといけなかったんだ』 そう今日から俺は親父に言われて、道場に来ている数人の小学生の練習を見てやらないといけなくなっていた。 『う~ん』 俺は面倒くさそうに頭をかきながら道場に向かった。
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