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『あッ。いたいた』
美希たちを見つけた守はそう呟き近づく、すると美希と佳江の会話が耳に入り、思わず近くにあった木の陰に隠れ聞き耳を立てた。『本当に私たちタイムスリップしたんだね』
と美希が言い佳江は頷く。
『これから私どうなるんだろうね』
『うん』
そんなたわいのない会話が続いた後、佳江が唐突なことを言い出す。
『ねェ美希。和馬くんとは本当にいとこというだけの関係?』
『なっ何を突然ッ!』
佳江から思っても見なかった問いに美希は驚き慌てる。
『美希。私、和馬くんのことが好きなんだ。初めて美希に道場に連れていってもらったとき、初めて和馬くんに会ったときからずっと』
『!!』
佳江の告白に美希は更に驚き言葉が出てこない。
もちろん木の陰に隠れて聞いている守も驚き、胸の鼓動が大きくなっていた。
(佳江ちゃんが和馬のことを…)
その言葉が守の頭の中をぐるぐる巡っている。
そして無意識に足元に落ちていた折れた木の枝を踏んでしまう。
バキッ!!
という音が辺りに響く。
この音に美希と佳江は気付き、音のした方を振り返る。
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