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『守ッ!!』
そう言葉を発した美希は『ハッ!!』としてすぐに守に近づき言う。
『今の話を聞いてたのッ!!』
守はおもいっきり首を横に振り否定するが、美希は疑いの目で守の顔を覗き見て言う。
『聞いてたわね。今の話、誰にも言わないでよ』
と守にきつく言いつけると佳江の手を取り『行こう』と言って、その場から立ち去って行った。
一人、残された守はただ黙って2人の後ろ姿を、見送ることしか出来なかった。
美希たちは戻って来たのに、守が戻って来ないので和馬は(どうしたんだろう)と思って探しに行こうとしたら、守が戻って来たので守に近づき言う。
『何処に行ってたんだ?』
『ああ』
『さっき与三郎さんが来て俺だけ今度の戦評定に参加してくれだってよ』
と和馬が話しかけるが、
『ああ。そうなんだ…』
と守は、和馬の言葉は耳に入らずに上の空であった。守はさっきの佳江の告白のことで頭が一杯であった。
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