雷鳴

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ピカッ!!ゴロゴロゴロ!! ザァァァーッ!! 『雷雨かぁ~』 そうつぶやき俺は、急に雷雨となった空を道場の窓から見上げた。 『これじゃ子供らは来られんな』 俺の後ろから、そう言って窓の外を覗き見ながら、俺の親父の角村吾朗が言う。 『この降りかたじゃ普通の練習生も来ないですな』 そう吾朗に話し掛けたのは、吾朗の弟弟子の山本太一である。 この山本太一さんは俺が物心ついたときには、すでに親父の弟弟子として道場に来ていて、道場の練習生が増えたことで親父を手伝っている。 ピカッ!!ゴロゴロゴロ!! 『おうッ今のは落ちたなッ』 『おうッ』 と守と剛が言い合っている。その横で従姉妹の美希と美希の親友の佳江も急にやって来た雷雨を見ている。 『さっきまでの晴れの天気が嘘のようだなぁ』 そう俺が呟いたときだった。 自分とその周囲、いや道場全体が白い光に包まれているのを感じた。 『えっ?』 と驚きの声を発するとともに道場全体が大きく揺れ、更に歪んだ感じを受けた。 そして音もなく道場全体がフッと、今ある場所から姿と形を消した。 和馬たちとともに連れ去るように……。
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