始まり

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放課後の終了を告げるチャイムが鳴る。 「んー・・・やっと終わった・・・」 俺は手を上にあげて伸びをする。 「座れー。えー・・・連絡がある。」 先生がドアを開けて教室にはいってくるなり、そう告げる。 「最近、このあたりで不審者がでている。男女問わずどこかへ連れて行こうとするらしい。お前らも気をつけるように。」 「・・・・不審者ねぇ」 俺は特に気にするわけでもなく、早くHR終わんねぇかなーとか思っていた。 --------- 俺は上靴から外靴に履き替え、さっさと帰ろうとする。 と、後ろから誰かに肩を叩かれた。 「よっ、瞬。この後ワックよってかね?」 「おぅ、裕也。 あー、わりぃ。今日はパス」 俺の幼馴染こと、佐藤 裕也(さとう ゆうや)。 どういうわけか、幼稚園の頃から高校までずっと一緒である。 「なんだよー・・・最近付き合い悪いぞー」 裕也は口を尖らせる。 「悪ぃ悪ぃ。今度なんかおごるからさ。」 「おっ?マジで?じゃぁ、今度こそいこーな!」 「おう!」
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