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「本当に助けられるとは思わなかった、ってか?」 「その通りだ。 まさか、他人を助ける事にここまで頭が働く奴がいるなんて」 「……けなすなよ」 「これでも褒めてる方だ」  ぶっきらぼうに言うウリエルの名前を話を邪魔されたフィエリテが呼ぶと、彼は再び震えた。 やはり神の怒りに触れるとまずいのだろう、と春樹は勝手に解釈する。 「す、すみませんでした。 フィエリテ様」 相手の謝罪を聞くと、フィエリテは小さく咳ばらいしてから口を開く。 「それで、安宅春樹さん……貴方に転生していただきたいんです」 それを聞いた春樹は一度呆気に取られたが、少しして笑い始めた。 彼にとってはあまりにも予想通りの展開だったからだ。 「面白そうだな。 まるでRPGの主人公だ」 「面白そう、ですか……その言い方ですし、受けてくださいますよね?」 フィエリテに問われて彼は短く息を吐いた。 どうせあちらの世界では、弔われてしばらくすれば忘れさられてしまうだろう。
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