二十四

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「さて、ここからどうするかだが……寝る前に考えてた。 何かしらあるだろ、この島」  朝食後に口を開いたのは春樹だった。 2日目になり、人数も多少減っているとは言えど新入生・編入生合同の実習型授業だ。 この島自体に何かがあるかもと探索する生徒なども教師は予想済みなのではないだろうか、と彼は考えていた。 まだ口に含みっぱなしであった肉をどうにか飲み下し、彼の言葉に答えたのは唯だ。 「んー、流石に何かが封印されてる、とかはないと思うわよ? 生徒がうっかり解放したらまずいじゃない」 「あったとしても、授業終了時に追加特典がもらえる何か、ではないですか?」 彼女に続いてその契約主であるラルフも考えを口にした。 『やっぱりそんなとこだよなぁ』と春樹が頭を掻いた時である。 「……何か近づいてくる」 「ええ!? エイニスさん、細かくわかりません?」 エイニスが突然真剣な顔つきでそう言い、ギンは慌てて武器に手をかける。 彼女が続けたのは 「闇属性」 という言葉だった。
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