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 狼から守る為、春樹は少女の手前に着地するとふらついた体をパイプで支える。 額の中央から血を流すシルバーウルフの亡きがらが一瞬視界に入ったが目を背けた。 吐き気を抑えつつ、シルバーウルフに向かってパイプを振るい続ける。 狼の中には左右に分かれて避ける物もいたが、大抵は逃げられずに吹き飛ばされていった。 身体強化がされているからこそ出来る技だ。  しばらくするとシルバーウルフを倒し終わったのでパイプを消す。 狼の血だらけだった為、正直このまま持っているのも怖かったからだ。 その後ふとフィエリテに最後に提示した願いを思い出した彼は、その通りになっているかポケットにいつも持っている鏡で確認する。 『きちんと叶っている』と感慨に耽っていると高い声が耳に留まった。 「あ、あのっ!」 突然話し掛けられた春樹は思わずびくつく。 後ろからの不意打ちの為当たり前なのだが、問題点は他にあった。 以前も伝えたが、姉3人のせいで女性が大の苦手なのである。
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