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姉達のように無理矢理な、無茶苦茶な人物なんじゃないか。
ふとそう思った彼が内心慌てていると、少女はあまり間を開けずに続ける。
「助けていただき、ありがとうございます!」
突然礼を言われ、春樹はひどく衝撃を受けた。
彼の姉達ならば目の前の相手のような礼からではなく、相手の素性を尋ねる所から始まるからだ。
そして怪しい奴じゃなかった場合は、相手の見た目で反応を決める。
もちろん、彼のようなフツメンはひどい扱いだったのだ。
閑話休題。
「いや、礼を言われるような事はしてねぇよ」
そう言いながらも、春樹はよくある異空間を創造で作り、その中にシルバーウルフを1匹、また1匹と入れていた。
もちろん血や臓器は見ないようにしながら。
少ししてしまい終わると、頭の中にあるはずの、おまけでもらった常識の中から地図情報を引き出す。
その間も少女の礼の言葉には、若干適当ながらも相槌を打った。
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