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 春樹は歩きながらこの森について調べていた。 知識によるとノルタ大陸の北東部に広がる『タナンの森』という、ギルド指定の関係者以外立入禁止区域らしい。 ちなみに普通の人であれば街からここまでひどく時間がかかるらしいのだが、生憎春樹は身体強化されている転生者。 その目には既に地平線あたりの街の物であろう煉瓦作りの赤い壁が見えていた。 「止まってください」  少しして街が目の前に来ると、彼は門番に止められる。 声からして女性なのだろうが鎧を付けているので判断は出来ない。 「通行証はお持ちですか?」 「すみません、無くしてしまったようで……」 春樹がそう言うと、彼女は隣の門番に話し掛けた。 「……通行証を再発行する。 ついて来るように」 そう言うと相手が突然歩き出したので、彼は慌ててそれについていく。 少し歩くと、木造の少しぼろい小屋が春樹の目に入った。 大方そこで書類を書くのだろうと結論づけた彼は、先に入った門番に続く。
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