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直後に門番はハッとして春樹の方を見る。
「すまないね、考え事をしていたよ」
「いえ、大丈夫ですよ」
話しながらも彼は書類を書いてたのだが、とある欄で手が止まった。
住所だ。
しかし森を調べていた際に倭国があった事をすぐに思い出し、それを書き込んでから紙を門番に手渡す。
「確かに」
そう言って相手が頷いたのを確認すると、春樹はふと目に入ったカレンダーに集中する。
あちらと同じ3月だったので『時間の流れは同じか』と何処か納得。
すると突然門番に少し待ってもらえるか尋ねられ、ハッとした春樹は慌てて頷く。
それを確認すると、門番は小屋の奥の扉に入っていき、しばらくして何やらカードのような物を持って出てきた。
身分証明書も兼ねる通行証だと言われて差し出されたので春樹は人当たりが良いように笑顔で受け取る。
「これって他国でも使えますか?」
「いや、ギルドカードの方が良いと思うよ。 全世界共通だからね」
それを聞くと春樹は礼を言いながら頭を下げた。
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